乱歩賞パーティの模様

 そうだ!
 からすさんやほかの推理小説好きのかたのために、9月30日にあった乱歩賞パーティの模様をかいつまんで書いておきましょう。

 まず、無精髭がカッコいい会長の東野圭吾親分の挨拶。
「乱歩賞なんて、大した賞じゃないんですよ」
 という衝撃発言が飛び出しました。
「これはあくまでも新人賞で、プロの作家の作品が対象の推理作家協会賞のほうが、よっぽど質が高く素晴らしい作品に与えられます。協会賞に、もっと注目してほしい」
 と、仰ってました。協会賞への注目度が低く、売り上げも乱歩賞作品のほうがはるかにあることへのいらだちがうかがえました。

 つぎに内田康夫御大の、選考過程の報告。
「まず、私ごとで恐縮ですが、私は、東野協会長がたいした賞じゃないと仰った乱歩賞に落選しているんです。そんな私が選考委員を勤めていいのかどうか迷いましたが……」
 と、会場の笑いを誘って、ご自身のデビューの話を面白おかしく語られました。
 この話、エッセイにも書かれているのですが、繰り返されても面白いです。ですが、いかんせん長かった。そのあとの選考についての話も、我々が読んでないし、読む可能性のほとんどない落選作品の細かいことに触れて、聞いているほうは少々疲れてしまいました。そのせいかどうか、あちこちで私語が飛び交っていました。(もちろん、僕や僕の周辺はだまって拝聴していましたが)
 まあ、落選作のことを知るのは勉強にはなりますね。

 主催の講談社とフジテレビの代表のかたの挨拶がつづきました。
 お二人とも、こういう場は慣れていらっしゃるようで堂々としたものです。とくにフジテレビのかたは、長年社長をやっておられるので、卒がないですね。

 つぎに、受賞者遠藤武文氏の挨拶。これが例年になく長かったです。
 少し緊張されているようで、内田氏が、自分の作品の脇役が同じ名前で出てきたことを指摘し、それが分かることを想定していなかった遠藤氏は幾分パニックになったようです。(気づいてくれて嬉しかったでしょうけれど)
 受賞作『プリズン・トリック』は、主人公は決めずに、事件そのものに迫ったので、次は分かりやすく名探偵を登場させるそうです。子供のころからのファン藤子不二雄氏の二人の名前をもじった探偵名になるとか。安孫子富士雄かな……いや、違ったかな?(いずれ分かるでしょう)
 内田氏は、交通刑務所の描写がリアルだったので、自分も入っていたのだろうかと仰ってましたが、それには答えられませんでした。
 でも、遠藤氏ご自身は、車の保険関係の仕事についておられるようなので、それで詳しいのに違いありません。(これ、僕の推理)

 そして、最後の西村京太郎御大の乾杯の音頭は、慣れてないのが分かったし、受賞者の若さをしきりにうらやましがっていて、実に微笑ましかったです。
 これはあっという間に終わりました。スピーチは「若いのがうらやましい」だけ(^o^)

 パーティの模様は、いずれAXNミステリチャンネルで放映されることでしょう。

 うーむ、仕事が停滞してるのに、長々と書いてしまいましたよ(^o^;)
by ashikawa_junichi | 2009-10-04 18:31 | 小説・本・仕事 | Comments(6)
Commented by タケ at 2009-10-05 03:24 x
いや~、なんかいいですね。
大勢の前っていうのは、見ている方は楽ですけど、前に立たされると、多くの目に緊張してしまうんでしょうね。
Commented at 2009-10-05 08:18 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ashikawa_junichi at 2009-10-05 13:33
>タケさん
 しかも、写真やテレビで見た有名作家さんがずらりと勢ぞろいしていますから、緊張の度合いは大変なものだったでしょうね。
Commented by ashikawa_junichi at 2009-10-05 13:39
>chanbaraさん
 この前、会報で新入会員としてお名前を拝見したばかりでしたが、それは残念です。
 年会費は、何年か前にいきなり倍額になりましたからねえ……。売れている作家がたくさん負担してほしいものです。
 国民健康保険は、収入が少ないと負担額が少なくてすみますよ。一時5千円だった時があります。文芸美術健康国民保険も名前通りに国保ですが、収入に関係なく一律の額になります。
Commented by からす at 2009-10-05 15:50 x
東野親分・・・・・(^_^;)
いきなり皆さんを敵に回した感じですネ(爆)

と、言いつつも
今回の「新参者」も買ったし・・・
アシシさんの作品と並んで
全作、コンプリート中なんです♪(^^)
Commented by ashikawa_junichi at 2009-10-05 16:05
>からすさん
 東野親分の言い分は、もっともなんですよね。協会賞よりもマスコミの注目度がとても高いのですよ。
 協会賞は、プロで活躍されている作家の傑作に与えられるから、そちらのほうの水準が高いのは当たり前なんですが……やはり、新人登場を喜ぶ風潮がありますからね。

 しかし、東野さん、物凄い筆力ですよねえ……最近、脂がのってきて、さらに凄いです(^o^;)
<< やっと…… うむうむ >>