夏が背中を向けて去り始めているようで、ずいぶんと過ごしやすくなりましたね♪ 先日、芦辺拓さんのツイートで…… 『最近、深夜の「みんなのうた」で再見したんですが、フイルム現存してたとはほんとにうれしい。吉本がまだ猖獗を極めず、得体の知れない輩が在阪マスコミを跋扈することもなかったよき時代。僕は11歳でした→さっさか大阪』 というところを読み、おおっと思わず膝を打ちました。 わたしは、こう返しました。 『見当違いかもしれませんが。織田作好きな私が思うに、昔の大阪は、吉本芸人みたいな人たちがたくさんいる町ではなかった気がするのですが』 芦辺さんからの返信は…… 『今さら言っても詮無いことですが、あんなではなかったと思います。』 わたしは、大阪には何度か足を踏み入れただけの旅行者で、短期間であれ住んだことはありません。ですから、自信を持ってこうだ!ということはできないのですが……どうも違和感があったのです。 つまり、テレビで観る吉本芸人たちや、大阪の町中のおじさんおばさんたちの言動と、織田作之助が書いた大阪の人々とが、まるで違う人種のように感じていて、これはどうしてなんだろうと、かねがね思っていたからです。少し品がよくてすっきりした市井の人たちが描かれていますよね。 そして…… 「いつも面白いことをいおうとしている」 「ボケたら、ツッコミをするもんだ」 という不文律(があるとしたら)も違和感がありました。 こうしたことに影響を受けた東京の若者が、増えています。 ずいぶん前ですが、会社時代の後輩が、つまらないボケをかましたので無視していたら、 「こういうときは、つっこんでくださいよお」 というではありませんか! この後輩、隅田川近くに三代以上住んでいる江戸っ子の末裔ですよ。あのときは、心底ガッカリしました。 あの『吉本新喜劇』ってのは、どうなんでしょう? 東京でもMXでやってますが、面白くないから、ほとんど見てません。 なんだかわけの分からないギャグらしきことをいったら、みんな倒れるというお約束の場面に笑いが起こります。あれは、大阪の笑いの伝統なんですか? 本当にそうなんですか!? 違うんじゃないのですか……!? 上方落語は、とても面白いのに。 吉本芸人が東京に出てきて、お約束のギャグをいって、みんな笑ってますが。笑わないといけない感じで笑っているような気さえしてきます。 アクの強い芸が席巻しているのでしょうか。みんな、幼児化しているのですか? つまり『悪貨は良貨を駆逐する』の格言どおりになっているのではないでしょうか!? そして、これは蛇足なのですが…… 自分の配偶者のことを『嫁』と、東京の若者もいうようになってしまいました。これは、テレビに出てくる吉本芸人のせいです。配偶者のことを『嫁』なんぞと、封建的ないいかたをするのは、東京ではなくなってきたことだったのです。加山雄三をのぞいてね。いや、大阪でもなかったと、大阪出身の時代小説家・飯島一次さんが仰ってました。 うーむ、ちょっと、筆が走りすぎたかもしれません。とういうのは、細かなフィールドワークをして、こうしたことを立証したわけではないからで、あくまでも印象だからです。 それは違うというかたがいらしたら、ぜひコメントをお願いします。 そして、ツイッターでのやりとりでは、nakasさんというかたが、以下のコメントをしてくださいました。 『私見ですが、戦前から凋落の萌芽として大学生の少ない街というのが響いたかなと。関大は吹田拠点。阪大は戦中設立で早々に吹田移転。近大は戦後派で東大阪(東京6大学は全て山手線内)。後二者は当初は理系大学でした。某国の文科省方針みたいです』『筒井康隆さんが「本を読む者を蔑む風土」と述懐されてますが、なお戦後の一時期までは江戸期の残光やら経済的繁栄の余禄やらで文化都市らしい体面も保っていたのでしょう。それらが失われ、大学もろくに招聘してこなかった文化軽視体質のツケが一挙に。』 みなさん、如何お思いでしょうか?
by ashikawa_junichi
| 2015-08-23 18:25
| 四方山話
|
Comments(8)
Commented
by
足立区のおじさん
at 2015-08-23 19:26
x
オダサクの時代の大阪を知らないのですが……僕の知っている大阪は1960年代以降、1980年頃までです。でも、すでに、芦川さんが嫌いな大阪になっていたのではないかと思います。そして僕は、そんな大阪発のテレビで育ち、吉本新喜劇を心から愛して育ちました。もちろん顔ぶれは全然違います。先日なくなった花紀京や岡八郎たちが活躍していた時代でした。誰かがボケをかましたら全員がスベる、というお約束はその頃からありますが。
そういうものを愛してるんです。昔の、古き良き大阪は知りません。そして今現在の大阪は知りません。でも、僕の知ってる大阪の延長線に今の大阪はあると思いますから、芦川さんにここまで嫌われてしまうのはとても残念だし、哀しいものがあります。 地下鉄のサラリーマンの会話が漫才になっている。これは大阪です。「話にオチがないとダメ」「ツッコミをする」これも、僕の知ってる大阪です。普段からこういう会話をしているから、大阪人は喋りが達者なんだと思います。人間は言葉の生き物だから、僕は、東京人より大阪人のほうが言葉を駆使しているという意味で、好きです。 配偶者のことを「嫁」と言い始めたのは吉本の芸人のせいだと思いますが、これはいろいろ理由があって……。まあ僕も「ヨメ」というのには抵抗があるし、「メッチャなんとか」とか「笑かす」とか僕の知らない「現代大阪弁」にも抵抗がありますが……。 でも、先日、大阪取材に行って、ああ、大阪はいいなあ、好きだなあと思ったのでした。 なので……まあそれを言えば東京だって1964年のオリンピックで変わってしまったと小林信彦に言われたら、反論できないのと同じではないかと……。
0
Commented
by
ashikawa_junichi at 2015-08-23 19:46
>足立区のおじさん
コメント、ありがとうございます♪m(*^ω^*)m そんなにも吉本新喜劇がお好きなんですねえ……。いや、そういう人が多いので、反撥されるだろうと思いながら書いてしまいました。 まあ、笑いに対する感覚というのは、国ごとに違いますし(アメリカンジョークやイギリスのジョークには、ピンとこないときがありますし)、さらに同じ国でも地域の違いがかなりありますから、東京もんがわざわざ大阪のいまの笑いを腐すのは、余計なお世話で、たいへんに不粋ではあるのですが……それが東京や、ほかの地域も席巻しているのが気になってしかたないんですよ。つまり、アクが強いと影響を受けやすいということで……。まあ、これもしかたがないことなのですが。 生粋の大阪人の芦辺さんのツイートを読んで、これはよい機会だから文句をつけておこうと思ったのです。ご不快かと思いますが、一度は書いておかないと気分が悪かったものでして。 東京については、反論できません。劇的に悪く変わってしまいました……。(と、思います。オリンピックのころはまだ小学生だったので。昔の人の話と想像でしかありませんが) それに、どんどん地方から人がくるので、東京ってのは、めまぐるしく変化する町だと思います。
Commented
by
ashikawa_junichi at 2015-08-23 19:59
(捕捉)
そうそう、頭をバシバシとたたくギャグですが、あれは不快きわまりないです。ダウンタウンの浜田が頭をたたくのを見るのが、本当に嫌です。 それを真似して、頭をたたかれたことがあります。これも後輩からです。「たたくな!」と怒ったら、怒ったこっちが笑いを分からない不粋なやつといわれました。いまでも思い出すと腹が立ちます。
Commented
by
足立区のおじさん
at 2015-08-23 20:00
x
席巻されるのは、される方が悪い、というのが僕の持論なんですが……。とんねるずは吉本芸人を嫌って、東京の芸人を自分の番組に出そうとしていますが、とんねるず自身が宜しくない。M-1グランプリ以降、非吉本、非大阪のお笑い芸人も多数活躍するようになったけれど、大阪の競争を勝ち抜いて東京に出てきた吉本芸人のパワーには押されてますね。それを押し返すパワーが東京の芸人にも欲しいところです。
以前は、大阪の笑いは東京ではウケなかったのに。「えらい」(疲れる)という大阪弁が通じないので偉人でもないヒトに「えらい」と言って行き違いが起きるギャグが不発だったり。それが、こんなに大量に大阪から芸人が出て来ると、大阪弁が東京人に理解されて、笑いも理解されるようになったんですね。でも、芦川さんのように凄く抵抗を感じる人もいる……。 僕は、東京での暮らしの方が長くなったので、芦川さんの感覚も判らなくはないです。でも、「吉本新喜劇」は僕の血であり肉なので、それを否定されると……今40〜50代の関西方面出身者の大半を敵に回すことになろうかと……。
Commented
by
足立区のおじさん
at 2015-08-23 20:03
x
『アタマをどつく』のは、僕にも反省しなければいけないことがあって……。
そうなんですよねえ……ついつい気軽に、アタマをどつく傾向があって……。 それで以前、聖さんのアタマをどついて、物凄く怒られて、土下座して謝ったことがあります。それ以来、激しく反省して、「どつき」は封印しております。
Commented
by
ashikawa_junichi at 2015-08-23 21:38
>足立区のおじさん
まあ、吉本の芸人が東京を席巻するのは、しかたがないことなんでしょうねえ。 その吉本が、まず大阪を支配したことに対する不満が、芦辺さんのツイートにあったと思います。 でも、このような傾向がずっとつづかないで、揺り戻しがあればいいなあと願います。 あんまりよく知らない『吉本新喜劇』まで腐したのは、失敗だったかもしれません(^o^;) そうですよね、多くの人に反撥されそうです。 わたしは、NMB48が好きなんですが、出身者が新喜劇に出ているし……。
Commented
by
足立区のおじさん
at 2015-08-24 06:48
x
子供の頃に親しんで愛したものを、貶されると……。
あれは、普通の演芸とか芝居として見ると、腹が立つかもしれません。一時期、本当につまらないときもあったし、今は見ていないし顔ぶれも変わってしまったので、僕が対象にするのは、花紀京・岡八郎・船場太郎・原哲男が座長だった全盛期の話です。「吉本ギャグ100連発」というレーザーディスクがあって、DVDになっているのかどうか知りませんが、あの頃です。まあ、一部を抜き出してみても、あの面白さは伝わらないかもしれませんが。「あ〜おいしかった。おっちゃん、ナンボ?」「500万円です」ずこっ。と言う定番は、あれがないとダメなんです。なければいけないパターンなんです。そういう意味で「古典芸能」かも。イラストレーターのみうらじゅんが、熱烈な吉本新喜劇ファン(いや、マニアか)で、上記のディスクの監修もしていますが。
Commented
by
ashikawa_junichi at 2015-08-24 16:08
>足立区のおじさん
あのお……現在と往年の対比について書いたつもりなのですが。往年というのは、芦辺さんが11歳のころまでですから、60年代末までのことでしょうか。最初のおじさんのコメントで、そのことに触れられていますが、スルーしてすみません。 ぼくはいまの新喜劇を観て、というか、5分と観られなかったので、つい書いてしまいました。昔のことは、さらに知りませんし(1度も観たことありません)、まったく対象にしてませんでした。 往年の大阪の文化は、もっと品がよくて素晴らしかったのではないかと漠然と思っていたことを、芦辺さんのツイートで意を強くして書いたのですが、意が伝わらなかったようです。(最近観た)吉本新喜劇のことに筆がすべったのがいけなかったのですね。さらに、文章がつたなかったせいです。断り書きをすべきでした。 吉本については、フェイスブックで飯島さんが、以前はよい芸人がたくさんいたと書かれていましたね。
|
最新のコメント
フォロー中のブログ
ともだちサイト&ブログ
歴史人公式HP
雨あがり写真館 遊戯三昧(えとう乱星) 新・日記代わりの随想(朝松健) ダー松の明日はこっちだ! 矢島誠の「言の葉ランド」 聖感日記 聖 龍人の日々ガックリ日記 安達瑶の片割れ・安達Oの自分語り 千野隆司の「時代小説の向こう側」 オダマンガ.コム(おだ辰夫) オダンディズム 暗中模索 熊野小春ですけど なにか? おみや細見(とやまみーやのホームページ) 早見 俊のボン人日記 ちばちゃん的、こころ! 酔いと読書と好き勝手 暢気倉庫通信 主水血笑録 blog 荷風! 川崎大師 飴の老舗 評判堂 新つれづれ草 YAMATO CHIPS(写真家高田千鶴さんのHP) yamato days(愛犬やまとの親ばか日記) チョコちょこダックス チョコちょこダックスのチョコちょこ生活 チョコちょこカンパニー しあわせの風景 榮吾録〔改訂増補版〕(岩水榮吾) f*lowlish(哉ヰ涼) 猫御殿掲示板 ダーサン 猫絵・ギャラリー 別館1 明日へ ライフログ
カテゴリ
禁煙 健康 飲食 食べ物 小説・本・仕事 四方山話 映画・演劇 旅行・行楽 音楽・アート 漫画 アニメ スポーツ ドラマ 買い物 ペット 人生 日常 事件・事故・天災 奇怪な話 動物 雑誌 病気 その他 絵画・イラスト ネット いただきもの テレビ 以前の記事
検索
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||