正直な答えなんですが……

 質問されて咄嗟に出た答えが、期待されているものとはずいぶんとズレてしまい、質問した相手をシラケさせてしまうことがありますよね。昨夜も、そのようなことがありました。
 気功の会のあとの食事会で、ラノベ作家のきぬごし氏が、
「印象的な登場をするキャラってあるでしょ。みなさんは、誰を思い浮かべますか?」
 という質問をされました。
 当然その答えは、有名なヒーローなどの登場シーンでしょうか。
 ですが、すぐにわたしの頭に浮かんだのは、
「唐十郎の『少女仮面』の冒頭に出てくるウェイター。戯曲だと『いらっしゃいませ』というセリフが書いてあるだけなのだけれど、40年ほど前に赤テントで演じた麿赤児は、ペタペタと顔にドウランを塗りたくり、フンドシだけ腰に巻いて、片手でロープをつかみ中空からコップを載せた盆を持って躍り出てきたかと思うと、盆をひっくり返そうになる。観客と舞台は目と鼻の先だし、ぼくは2列目にいたから、コップの水がかからないかと焦る。だが、コップは盆にくっついていて水は入ってない。(入っていて、身体にかかったかも。忘れました)ウェイター(麿赤児)は『ああわわわ~~~』と声を上げながら、なんとかバランスを取り戻して『い、いらっしゃいませ~~~~』と野太い声を上げるんだよ」
 この答えは、ちょっと受けましたが、きぬごし氏は、もうこの質問の次なる答えを期待していませんでした。きぬごし氏自身が印象的だと思ったキャラの登場シーンについても話しませんでした。おそらく、わたしの答えのせいでシラけてしまったのでしょう。

 もっとシラけさせたことが2度。すぐに思いだせます。
 ひとつは出版社時代の後輩が、
「好きなミュージカルはなんですか?」
 と、訊いてきたときです。わたしがけっこうミュージカルを見ているので質問してきたのでしょう。
 その質問が「ハリウッドの」とか「欧米の」とかいう限定的なものだったら『マイフェアレディ』とか『ラマンチャの男』などと答えたはずです。それなら、そのあとに彼の好きな作品はなにかということになり、ミュージカルについての話題が盛り上がるはずです。ですが、限定的な質問でなかったせいか、わたしは……
「あれだよ、あれは面白かった。『エノケンの孫悟空』!」
 と、答えてしまったのです。そのときぱっと頭に浮かんだタイトルをいったまでのことで、奇をてらったわけではありません。でも、後輩は唖然とした顔で、もうそれ以上、その話題をつづける気力を失ってしまいました。いけないとは思ったのですが、取り返しはつきませんでした。
 でも、本当に面白かったのですよ『エノケンの孫悟空』は。

 さらにもうひとつ。これも出版社時代のことです。いまはない日本ジャーナリスト専門学院の女子学生たちの同人誌のオブザーバーをしていたことがあるのですが、そのうちのひとりから、
「憧れというか、尊敬している人はいますか?」
 と、質問されました。
 そのとき、ふっと頭に浮かんだのが、
「チャーリー・ブラウン! あんないいやつはいないし、尊敬できるんだ」
 この答えに、その女子学生はガッカリした表情を浮かべました。
 実在する(した)世界的な偉人や伝説的な人物の名を期待していたのでしょう。

 本当に奇をてらったわけではないのですよ。ふっと頭に浮かんだことをいったまでです。
 仕方がありませんね(^o^;)

 画像がないと淋しいので、草間彌生のインスタレーションを。

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by ashikawa_junichi | 2017-04-14 19:01 | 四方山話 | Comments(0)
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