高校時代に傑作だと思った同級生の映画と、その原作・ガルシンの『あかい花』

 10月にあった高校の同窓会後のクラス会で話題になった自主製作映画『あかい花』(監督・小川邦弘)を思いだし、その映画が素晴らしかった印象があるので、本棚から原作本を探し出して、先日再読しました。
 ガルシンの『紅い花』です。ぼくが持っているのは旧バージョンでタイトルは平仮名になっていて『あかい花』です。岩波文庫で、字が小さい! でも、老眼鏡なしで読めますぞ。もちろん老眼にはなってますが、進行が遅いようです。
 小川くんが撮った『あかい花』は、クラスメートの女子が主役を演じていたのですが、この女子Sさんが不思議ちゃんで、しかも可愛いのです。Sさんの彼氏は上級生で、小川くんの自宅で彼に映写して見せたら感極まって涙したとか。自分の彼女が実に可愛く魅力的に描かれていたので感激したのでしょうね。
 この作品の主人公は精神病院に入院した男で、庭に咲いたあかい花を悪魔の化身だと思い込んで滅ぼそうとします。小川くんは大胆にも、この役を女子のSさんに演じさせました。原作を読んでも、その映画を細かくは思いだせません。Sさんと小説の男がまったくダブらないのです。スタイリッシュでセンスのよい綺麗な映像を断片的に思いだせるだけです。
 ぜひ、映画をもう一度観たいのですが、フィルムを後輩に貸したままになっていて、その後輩とは連絡がとれないようです。というわけで、もう観られないかもしれません。じつに残念なことです。
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 これ↓は「あかい花」のつぎに掲載されている「四日間」という瀕死状態の従軍兵士の話です。
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 10年ちょっと前に高校の同期会があって、クラスメートたちと再会したのですが、そのなかに不思議ちゃんだったSさんもいました。普通の女性になってました。


by ashikawa_junichi | 2017-12-11 23:58 | 映画・演劇 | Comments(0)
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