禁煙のこと③

 禁煙を実行したのは、5年半前の8月27日でした。
 ニコチンの物理的禁断症状の出る期間は、どのくらいだったか……たしか3日間だったでしょうか、その間は緊張してましたが、無事に通過すると、あとは楽になった記憶があります。
 なにせ『禁煙セラピー』に洗脳されてますから、煙草から開放されて、こんなに幸せなことはない!と思うのです。

 禁煙してすぐに読んだ本が『禁煙の愉しみ』(新潮OH!文庫)でした。山村修さんという、図書館司書で、匿名の書評家として活躍されていた人の本で、これは長年、禁煙の失敗を繰り返したあげく、やっと成功するまでの辛さや楽しさをエッセー風につづったものです。

 この本の後半、
「禁煙は我慢ではない。我慢してはいけない」
 と『禁煙セラピー』と同じく、意志の力で無理にするものではないと書いてあります。
「禁煙とは、最後の一本を灰皿ににじり消した瞬間から、どこか分からないが、こことは別のところに移ることである。禁煙は越境である。これまで知らなかった場所で、知らなかった日々をはじめることだ。ある地点にたどりつくまでは耐え抜くといったレースなどではない」
 少々長い引用になりましたが、なるほどと思わせる名文です。

 山村さんは、なんども禁煙に失敗したあとに、こうしたことを悟り、ついに煙草と縁が切れたそうです。
 ただ、惜しいことに、この本の出版の数年後に、肺ガンで死去されたと記憶してます。肺ガンの原因など分かるはずもないのですが、煙草のせいだったとしても、禁煙の幸福を味わったあとのことでした。

 予定とは違ったことを書いてしまったので、禁煙に伴って現れた身体的、精神的な劇的変化については、また明日書くことにします。

 今日は、新刊が出来たので、打ち上げと今後の打ち合わせに行ってきます。
 出かけるまで、仕事に精を出します。
by ashikawa_junichi | 2008-04-04 15:00 | 禁煙 | Comments(0)
<< 昨夜は巣鴨で飲みました ピンクが好きだったころ >>