大河内昭爾氏の訃報

 同人雑誌評に尽力し、多くの新人を発掘、さらに食と文学の関わりを追究し、また"文学の復権”を目指して「季刊文科」を秋山駿氏や故吉村昭氏とともに創刊……などなど多くの実績を残した、文芸評論家で元武蔵野女子大学長・大河内昭爾氏の訃報が今朝の新聞(東京新聞)に載っていました。享年85。

 エンターテインメントの時代文庫小説を書いているわたしとは、いまはまったく接点はありませんが、遡ること40年ほど前、早稲田の学生だったころに、一度酒席でご一緒したことがあります。あのときは、早稲田の講師をされていたような記憶が。4~5人の同級生とともに、楽しい時間を過ごさせていただきました。

 実はその前、浪人時代に早稲田予備校で、大河内氏は教鞭をとられていました。そのとき、一年間、講義を受けるのを楽しみにしていたものです。
 受験とはまったく関係ないような文学の話が多かったです。そのために、受験前には教室はガラガラでしたが、わたしは最後まで受講していました。それほど面白かったのです。
 長めの髪を真ん中で分けて、ときおり片手で、たまに両手で髪を書き上げる仕種は格好よかったです。
 ん? いまのわたしの髪形は、当時の大河内先生の髪形だ!
 若いころ剛毛だったわたしは、短くするかパーマをかけるしかなかったのですが、いまは髪が細く柔らかくなったので、偶然ですが同じような髪形になったのです。
 ……いや、心のうちに、大河内先生の髪形のイメージがあったのかも。

 純文学を追求されたかたで、エンターテインメントは眼中になかったようです。
 いや、胃潰瘍の手術後の病室では、頭を使わずに済むので読んでいたと仰っていましたが。

 わたしごときが、大河内氏のことを書くのは僣越すぎるのですが、はるか40年前を思い出して、書かずにはおられませんでした。
 謹んで大河内先生のご冥福をお祈りいたします。
by ashikawa_junichi | 2013-08-17 16:06 | その他 | Comments(0)
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