福島の牛が訴えかけてくること

 29日月曜に銀座エインカレムギャラリーの『久住友理展』にいったことは書きましたが、そこで画家の戸田みどりさんとお話をする機会を得ました。
 戸田さんは『生ける水』シリーズなどを手がけて評価の高い画伯ですが、福島原発の事故で、その生命の根源ともいえる湧き水が汚染されたショックから、矢も楯もたまらずに福島へいったそうです。
 そこで出会ったのが、被曝した黒毛和牛で、あまりの悲惨な状況に、画家として、これを描いて残していかなくてはという使命感にかられたそうです。
 毛が抜け、ただれた肌……顔の半分ない牛もいたとか。放射線の影響は小動物にはすぐに出て、大きな動物(人間もですね)は、徐々に……そう、これからさらに影響が現れてくるそうです。
 あまりの悲惨さに「ごめんね」という気持ちで見ていたそうですが、牛たちは優しい目で見返し、許してくれているように感じたとか。そんな牛たちに、さらに申し訳ないという気持ちが募ったのだそうです。
 こうした牛たちは、殺処分せず残された命を全うしてもらうために、牧場で飼育されています。
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 胴体がただれた牛です。
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 楢葉町はまだ放射線量の高いところがあり、戸田さんの身体も変調をきたしたそうです。避難指示解除となったところでもです。
 風評被害はよくないですが、原発事故という未曾有の災害に対して、こうした牛たちがなにを訴えかけているか……忘れないように心に留め置くつもりです。
                                                                                           
by ashikawa_junichi | 2017-05-31 22:45 | 事件・事故・天災 | Comments(0)
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