朗読劇『或る一節(「サド侯爵夫人」より)』

 2日土曜日夜は、カフェ百日紅で、女優お二人による朗読劇『或る一節(「サド侯爵夫人」より)』を観劇しました。
 原作の戯曲は三島由紀夫、脚色は百日紅の怪しい住人・如月悠帆(きさらぎゆうほ)氏。
 女優は、紅日毬子(あかひまりこ)氏と川合瑞恵(かわいみずえ)氏です。
 6人いる登場人物を2人に絞り、そのため往復書簡を朗読するという形式になり、それが効果絶大でした。
 アルフォンス(サド)の夫人・ルネと、その母親であるモントルイユ夫人との、アルフォンスをめぐっての丁々発止というべき愛と憎悪のやりとりが、お互いの手紙の朗読によって展開していきます。後半になるにつれ、緊張感が高まり、そして革命を経て、2人の心境や立場が大きな変化を迎えます。2人の実力のある女優さんが、まさしく母と娘といった感じを迫真的に演じていて、素晴らしく見応えがある朗読劇でした。
 紅日さんと川合さんは、往年の欧州婦人の雰囲気をかもした出で立ちで、テーブルの上にはいくつもの小さな蝋燭が灯され、それが物語の進行とともに少しずつ消えていきます。その演出も素敵でした。
 劇が終わったあとは、トークショーに移行。なんでも、川合さんが三島由紀夫の『サド侯爵夫人』が好きで、いつか演じてみたいと思っていたところ、数十年来のサドファンで、言葉の紡ぎ手である如月悠帆氏と百日紅で出会い、企画が立ち上がったのだそうです。さらに、川合さんは、月喰歌劇団などで面識があり、しかもお互いに百日紅の常連である紅日さんとの共演を望んで、今回の朗読劇が実現したのです。劇中に流れる音楽は、百日紅の怪しい住人のひとり・MERRYSUN氏の作品で、これも劇の効果を高めていて秀逸でした。
 4人は百日紅があってこそ知り合ったわけで、縁あっての朗読劇でした。
 実は、来年の1月に、百日紅女給である目玉堂さんの個展があり、そこで朗読劇が2度あります。紅日さんと川合さんが異なった日に別々の朗読劇を演じるのですが、2人のための台本を如月悠帆氏とわたしが執筆し、音楽はMERRYSUN氏です。わたしがこの4人の縁につながるわけで、いまからわくわくしています♪

 写真は、目玉堂さんが描いた川合瑞恵さんと紅日毬子さんの絵です。
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 朗読劇が終わって、通常営業にもどった百日紅で、偶然にも目の前の3人が、同じクリームソーダを注文していました。クリームソーダ・トリオ。クリーム・ソーダ兄弟。クリーム……。
 ひだりから、はじめ氏、猫耳亭萌輔氏、角銅博之氏。
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by ashikawa_junichi | 2019-11-03 02:48 | 映画・演劇 | Comments(0)
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