「……になります」言葉

 歳をとると、聞き慣れない妙な言葉づかいに敏感になってしまいます。その言葉づかいが盛んに使われて市民権を得ても、まだ気になります。
「……になります」というのは、その筆頭株ですね。
 最近では、テレビのアナウンサーも使ってます。上司にも注意されないんでしょうね。それほどみんな使っていて、違和感がなくなっているのでしょう。
「これが加害者の写真です」でいいのに「これが加害者の写真になります」とか。
「チケットは明日発売します」でいいのに「チケットは明日発売になります」など。
 婉曲表現を好む日本人の癖なのでしょうね。

 息子は焼き鳥屋でバイトをしているのですが「なります言葉」は、若いのに気になるようで、焼き鳥を出してネタを説明するときに、
「これがネギマです」「これがボンジリでごさいます」というようにしているとか。
 それでも、ほかのバイト連中が『なります言葉』しか使わないので、つい感染(うつ)って使ってしまうことがあるそうです。
 中高年のお客さんで、やはり『なります言葉』が気になり文句をいうひとがいて、なにをいわれているのか分からずポカンとしてしまうバイトくんもいるとか。
 文句をいう気持ちはわかりますが、いちいちいうのも大人げない気が……でも、いいたくなりますよねえ……。いってしまって、気まずくなるのもイヤですが。

 先日、息子が、
「これがつくねになります」
 つい『なります言葉』を使ってしまったところ、
「これはまだつくねじゃないのね。これからなるのね?」
 と、お客さんにからまれたそうです。『なります言葉』がイヤな人だったのでしょう。
 息子は、
「はい、5分後につくねになりますから、お待ちください」
 といって笑いを誘い、気まずい雰囲気にならなかったそうです。
 息子の機転を褒めてやりましたよ。

 ちなみに、READY TO KISSというアイドルグループに『成増になります』という曲があります。ひどく落ちこんでいたときに、成増駅の冗談みたいなアナウンスを思い出して「なりたい自分にきっとなります」という気持ちを強くしたという内容みたいです。

 
youtu.be/5gEeBJm4bpE

by ashikawa_junichi | 2019-12-26 01:41 | 四方山話 | Comments(0)
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