『大泉サロン』についての本2冊&全身編集者

 竹宮恵子の『少年の名はジルベール』を読み、すぐそのあとに萩尾望都の『一度きりの大泉の話』を読みました。いわゆる「大泉サロン」といわれたアパートでの少女漫画家同士の共同生活を軸に、それぞれの漫画家としての軌跡を書いた本です。
 なぜ、大泉サロンが2年で終了したのか、萩尾望都がなぜ当時の話をしたがらないのか……等々が分かります。もちろん、誤解や記憶違いなどがあるでしょうから、その真相は読者には、いや、当事者たちにもハッキリとはしないのかもしれませんが。
 はっきりしているのは、大泉サロンに集った漫画家たちが、それぞれ大変な努力と途轍もない産みの苦しみを経て素晴らしい作品を作りつづけてきたということでしょうか。
 この2冊の前に読んだ白取千夏雄の『「ガロ」に人生を捧げた男-全身編集者の告白』も、実に興味深く面白かったです。夫人のやまだ紫が亡くなる場面は、涙なしには読めません。作者の逝去後に、ガロ編集部におけるクーデター(?)の新事実が分かるという、驚きの展開もあります。(それも、真実なのか定かでありませんが)
 ちなみに、Kindle本『少年は……』以外の2冊はダーティ・松本さんにお借りしました。
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by ashikawa_junichi | 2021-05-06 23:31 | 漫画 | Comments(0)
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