小田原で川崎長太郎ツアー＆小田原城

　12月4日土曜日、小田原へ。海岸近くの小屋に住まい、夜は蝋燭の火で原稿を描いていたという伝説の私小説家・川崎長太郎の残り香を嗅ぎに。

　江戸川乱歩は蔵のなかで蝋燭の火を灯して原稿を書いていたという伝説がありますが、それはフィクション。長太郎の場合は本当のようです。

　まずは、毎日通ってちらし寿司を食べていたという『だるま料理店』へ。長太郎が通っていたころよりも立派になっているような……ともかく老舗で、しばらく待たねば入れないほどの人気店でした。（長太郎のおかげではなさそう）

　同行した元名漫画編集者の久保さんと、ダーティ・松本さん。久保さんは、自分の顔も声も特徴がないから、病院で看護師に覚えてもらえない、それで髭を伸ばすことで印象を強くしたのだといってました。

　店内を撮影するわたしと久保さん。撮影はダー松さん。

　注文したちらし寿司。食べかけてから撮影しました。すんません。注文したあとに気づいたのですが、長太郎は海鮮ちらしを食べていたような……ただ、海鮮ちらしはけっこう高いのです。長太郎が通っていたころは丼で、安かったはず。でも、ただのちらしは、海鮮には入っていないだろうたけのこが美味しかったので、これでよし♪

　食べ終わってから、歩いて長太郎が住んでいた小屋の跡へ。

　寂しいシャッター通りですな。

　川崎長太郎の小屋跡の石碑。久保さんは前にもきたことがあり、石碑はいまとは違った場所にあったと。すぐ近くの家のあるところのようで、権利関係で移動されたのでしょうか。

　ここはすぐ近くが海岸。石碑に向かって右にある海岸へのトンネルをくぐります。

　海！　久しぶり！　何年ぶりだろう……6、7年ぶりかも。

　嬉しそうなオレ。

　海を撮影するダー松さん。

　またもテクテク歩いて、小田原文学館へ。ここは、なんとか小路。この先の左手にある路地を入ったところに文学館はあります。

　小田原文学館。尾崎一雄、北村透谷、坂口安吾、北原白秋、藤田湘子、北原武夫、牧野信一、そして川崎長太郎などの直筆原稿が展示され、興味深い写真の数々も。撮影禁止が残念。ヨーロッパなどでは撮影可能なのにねえ……。（美術館も）

　上に上がると気持ちよい景色が。

　文学館に併設されている尾崎一雄の住まい。ここであの『暢気眼鏡』や『芳兵衛物語』などが書かれたと思うと感慨深いものが。

　ほかに北原白秋の童謡館もありました。

　文学館のあとは、わたし一人で小田原城へ。ほかのお二人は、駅近くで一服。

　お掘をわたり……

　ど～んと小田原城天守閣！　なにやら照明で遊んでいます。いや、観光サービスのレーザーアートかな。

　各階に戦国時代、江戸時代における小田原城の歴史を解説する陳列コーナーがあって、ざっと見るだけでも時間がかかります。

　やっと展望階へ。日が暮れ始めています。

　下に下りると、かなり暗くなってます。城全体に照明があてられ、美しいすがたが薄闇に浮かび上がっていました。

　桃色城！

　城址公園から撮影。公園では、提灯がたくさん。さながら提灯市。いや、提灯まつりかな。

　市民や子どもたちが作ったものでしょうか。綺麗です。

　帰りの石段。

　小田原城をあとにして、駅前に急ぎます。通りにはなぜか風船が浮かんでました。

　休んでいるお二人と合流して、海鮮居酒屋『ふじ』

へ。半刻ほど食べて飲んでお開き。東海道線で東京へ。いつもより早く起きたので睡眠不足。帰りの車中で少し眠ってしまいましたが、実に楽しい日帰り旅行でした。