『地中の男』→『深夜プラス1』→『影なき男』

 数週間前、ロスアンジェルスで山火事が発生、猛火が広がっていたころ、館淳一さんがフェイスブックでロス・マクドナルドの『地中の男』(1971年)について書かれていました。この作品は、山火事が発生したロスアンジェルスの架空の街サンタ・テレサで、私立探偵リュー・アーチャーが殺人事件と少年誘拐事件の解決に奔走する話です。館さんは山火事に連想してこの作品を思い出したそうなのですが、ぼくも俄然読みたくなってアマゾンで探したところ、絶版になっており電子書籍化もしていないので、やむなく古本を買いました。ハヤカワのポケットミステリ(1983年刊行)で300円ちょっと。あとで発売された文庫は、現物が少ないせいか万がつく高値でした。
 届いて早速読んだら、やはり面白かったです。ただ、字が小さく、経年劣化(なにせ42年前の本)で字がかすれて読みにくく目が疲れました。老人には辛いですねえ。
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 この勢いで、古いハードボイルドが読みたくなりました。ずーっと前に買って未だ読んでない『深夜プラス1』にとりかかろうと数時間がかりで部屋を探して見つけました! これは41年前に買った本ですが、文庫なので『地中の男』よりさらに字がかすれています。そのときに買って読んでないとは……新宿ゴールデン街の『深夜プラス1』には1度……いや2度行ったかな。内藤陳さんにも会ったのに(^-^;
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 こっちは新訳の大きめな字の文庫もあるし、電子書籍化もしていました。どうしようか迷ったのですが、辛いけど古い本で読むことにしました。せっかく持っているのにもったいないという貧乏性と、少しの意地ですかね。
 第二次世界大戦のしばらくあと、英国の元特殊工作員でビジネス・エイジェントの主人公がアル中のボディガードとともに大金持ちと秘書の美女を護送する話ですが、とても面白いです。感動しました!
 もっと読みたくなってきて、これもずいぶん前に買って未読のハメットの『影なき男』にとりかかろうと思っています。これも40年前のポケミスです。電子書籍化していますが、やはり無理して紙で読みます!
 貧乏性と少しの意地と書きましたが、紙の手触りがいいということもあるんですよね。
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 この本のあとハードカバーの単行本を読んだら、目が楽だなあとしみじみ感じることでしょう。
 しかし……家のなかには未読の本が山とあります。死ぬまでに全部読むなんてぜったいに無理です。何年かしたら引っ越すので、それを機会に処分するしかないでしょうねえ。

by ashikawa_junichi | 2025-01-29 01:03 | 小説・本・仕事 | Comments(0)
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